
大学に出願する時、在籍している高校から成績証明書や推薦状の他に、School Profile(スクール・プロファイル)と呼ばれる数ページにまとめた学校の概要を大学に送ってもらう必要があります。このスクール・プロファイルを見たことのない志願者も多いようですが、どんな学校の環境下で志願者が勉強してきたかを知るために大学にとっては極めて重要な書類です。
高校によって内容に差がありますが、アメリカの高校の場合、スクール・プロファイルを見ると通常その高校の生徒の人種構成や低所得者の割合、卒業率、大学進学率などがわかるようになっています。また、生徒のSATやACTの平均スコアも大抵は含まれているので、全体の学力レベルがわかります。生徒が勉強や大学出願で十分な指導を受けているかを見るために、生徒対先生の比率や、生徒対スクール・カウンセラーの比率に目を向ける大学もあります。例えばマンモス公立高校で十分な指導を受けられない生徒には、そのバックグラウンド情報を考慮した上で出願書類が審査されることになります。
大学が最も注目する点は成績ですが、4や100などどのようなスケールを使って高校が成績の評価をしているのか、そしてHonorsやAPクラスを受けた生徒には成績に余分に点が加算されるのかもスクール・プロファイルに記載されているはずです。加点される場合でも、APクラスには1でHonorsクラスには0.5、あるいは両クラス一律に1など、高校によって数値が違います。これを知ることにより大学は、あらゆる高校の生徒の成績を大学独自の方法で評価します。また、一学年全体のGPA平均値や成績分布表をスクール・プロファイルで公表している高校もあります。成績分布表を見ると、例えばGPAが4.0以上の生徒が全体の何%いるかわかります。GPAが3.5であっても、高校によって成績のつけ方が異なるので、その生徒の成績はトップ20%かもしれませんし平均以下かもしれません。それがスクール・プロファイルで一目瞭然となります。他にも、生徒の履修したAPクラスの数を単に見るのではなく、高校でいくつのAPクラスがオファーされているのか、履修できるAPクラスの数に制限があるのかなども考慮に入れて、大学は志願者の履修科目を評価します。
このように志願者それぞれの学校の環境を考慮して審査されますので、自分の成績表と同時にスクール・プロファイルを実際に見て、学力的に自分はどんな生徒と映るのか客観的にチェックするとよいでしょう。このスクール・プロファイルは学校のウェブサイトで公表されている場合もありますが、見当たらなければスクール・カウンセラーに聞いてみて下さい。
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アイビーリーグの最難関大学に合格したS君がメールを送ってくれたので、紹介します。
「先日、高校の卒業式を終えました。いつまでも続くように思えた高校生活ですが、終わってみると開放感と同時に少し寂しくも思えます。
僕はValedictorianだったので、卒業式でスピーチをしました。ボランティアの体験と、周りの意見にまどわされず自分のやりたい気持ちを大事にすることについて話しました。パンデミックが始まってから親に医療のボランティアをすることをやめるよう言われたけど、将来医者になるつもりの僕がやめるわけにはいかないと思い、続けられたのは伴先生のお陰でもあります。先生は僕をencourageして下さり、親も最終的には僕の意思を尊重してくれました。
高校生活ではいろいろなことがあったけど、僕が第一希望の大学に入れたのはこのボランティアの経験があったからかもしれないと思います。ボランティア以外にも忙しかったので、高校生の間にtime managementを身につけられたのもとても良かったです。
伴先生、この二年間のサポートありがとうございました。」
最初にS君に会ったのは二年前ですが、どちらかというとシャイな様子で、後に毎週病院で長時間ボランティアをしたり、救急医療技術者(EMT)の資格をとるため百時間以上も勉強し救急医療のボランティアをするようなガッツがあるとは思いもよりませんでした。
S君が学校のトップであったように、成績やテストスコアが高いことは言うまでもありませんが、超難関大学に合格する人には、いくつか共通点があるように思います。十代らしくありつつも自制心がある——精神年齢が高いということかもしれません。行動力がある——自分や人のために一生懸命なので、周りも応援したくなります。そして自分のことだけでなく、社会全体のことを考えているように思います。ボランティアも大学合格のために時間稼ぎでするのではなく、自分の探究心や使命感から本気でやっていることがわかります。それはもちろん大学側にも伝わるはずです。
S君はスポーツでもリーダーシップを発揮してコロナ禍でも運動不足にならないようオンラインで子供達のためのトレーニングプログラムを作ったり、人のためにここまで時間を費やして体が大丈夫かと心配するほどでした。でも人のことを思ってやり遂げるので、将来の夢である医師にも必ずなって、たくさんの患者さんを助けるのだろうと思います。S君と会話をすると、その謙虚で思いやりのある受け答えに驚きと共に暖かな気持ちになることもしばしばでした。S君の進む道にたくさんの幸がありますように!
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