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最近アメリカに来られた日本人から「私(あるいは自分の子供)は留学生としてアメリカの大学に願書を出せるのか」という質問をよく受けます。皆さん気になるのは、奨学金などのファイナンシャルエイドが受けられるのかという点と、合格基準の違いについてです。

アメリカの大学は「留学生」を「アメリカ国籍や永住権を持たない人」と定義しています。ですから自分で決めるのではなく、ビザのステータスで留学生かどうか自ずとわかるはずです。長くアメリカに住んでいても留学生として扱われる場合もあれば、住んでいる期間は短いのにアメリカ人と同じ枠で審査される場合もあります。また永住権がなくても、アメリカの高校に通い卒業する子供の親もその州に住んでいれば州民とみなされ、州内在住者の比較的安い学費を払えばよい州立大学もあります。

合格のしやすさという点からは、日本人は留学生である方が有利と言えるでしょう。大学は何ヶ国からの留学生を受け入れたか数が多いほど、今流行りの「多様性」を誇ることができます。日本人志願者の少ない現在、日本人留学生は他の日本人留学生と競うだけで、年々増えている中国や韓国などからの留学生と直接競い合うわけではないからです。高い学費をアメリカ国内で非難される中、学費を全額払ってくれる留学生は資金難に苦しむ大学にとってありがたい存在でもあります。

一方、永住権を持っているとファイナンシャル・エイドなどアメリカ人と同じ扱いとなり、奨学金やローンの恩恵を受けることができます。在米期間によりSATなどの英語のスコアが多少低くても大目に見てもらえたりしますが、アジア系アメリカ人という枠の中で競うため、留学生に比べて超難関大学に合格するのはより難しくなるのが現状です。

なお留学生でもアメリカ人学生と同じように、親の収入で学費を決める大学もあります。大学により方針が違いますので、わからないことがあれば大学に直接聞くのが最新の正確な情報を得る一番の方法です。興味のある大学があれば早目に確認しておきましょう。

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ちょうど一年前、2013-2014年度のコモンアプリケーションのエッセイ設問が発表され当ブログでもお知らせしました。さて2014-2015年度のコモンアプリケーションのエッセイは、去年と変更なく以下の設問からひとつ選んで650字以内で書くことが決まりました。志願者の内面を映し出す内容のエッセイを書くのに最適な設問だと、コモンアプリケーションを使っている大学から高い評価を得た結果のようです。今秋から冬にかけてコモンアプリケーションを提出する予定の皆さんは、今すぐエッセイを書く必要はありませんが、これから半年くらいの間に何を題材にしてエッセイを書くかじっくり考えてみましょう。

1. Some students have a background or story that is so central to their identity that they believe their application would be incomplete without it. If this sounds like you, then please share your story.

2. Recount an incident or time when you experienced failure. How did it affect you, and what lessons did you learn?

3. Reflect on a time when you challenged a belief or idea. What prompted you to act? Would you make the same decision again?

4. Describe a place or environment where you are perfectly content. What do you do or experience there, and why is it meaningful to you?

5. Discuss an accomplishment or event, formal or informal, that marked your transition from childhood to adulthood within your culture, community, or family.

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今回は「アイビーリーグに受かっても、レベルを下げて優秀な成績の出せる大学に入ったほうがよい」と説いて注目を浴びているマルコム・グラッドウェル(Malcolm Gladwell)の新刊を紹介します。題名は”David and Goliath: Underdog, Misfits, and the Art of Battling Giants”でまだ日本語版は出ていませんが、彼の著書は世界中でベストセラー入りし日本でも邦訳が数冊出ていますので、この本が日本語で読める日はそう遠くないでしょう。

David and Goliath: Underdogs, Misfits, and the Art of Battling GiantsDavid and Goliath: Underdogs, Misfits, and the Art of Battling Giants
(2013/10/01)
Malcolm Gladwell

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雑誌「ニューヨーカー」のスタッフライターでもあるグラッドウェルが2008年に出した”Outliers: The Story of Success"(邦題「天才!成功する人々の法則」)では、ビートルズやビル・ゲイツなどある分野で成功した人々はみんな大成するまでに一万時間を費やしたという説を紹介していますが、彼はどういう人が成功するのかにいつも興味があるようです。新著「ダビデとゴリアテ」でも旧約聖書で羊飼いの少年ダビデが鎧も武器も使わず石だけで巨人で武芸の達人ゴリアテを倒したエピソードをベースに、逆境や不利な立場にいる人が成功する例を挙げてその理由を分析しています。

天才! 成功する人々の法則天才! 成功する人々の法則
(2014/01/29)
マルコム・グラッドウェル

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この本のある一章では、高校まで大変優秀でブラウン大学で理系を専攻するつもりだった学生が、大学の有機化学のクラスで他の優秀なクラスメートと比較してしまい自信を失い文系に変えた話を紹介しています。グラッドウェルに質問されて「もしブラウン大学ではなくメリーランド大学に進学していたら、今も理系を専攻していたでしょう」と答えています。著者は「アイビーリーグという大海の小魚でいると、たとえ優秀な学生でも他学生と比較して自分の成績が悪いと劣等感を持ってしまい挫折してしまうので、それだったらレベルの低い大学でトップの成績をとり自信の持てる環境、つまり井の中の大魚の方がいい」と説きます。しかし彼女が難なく合格できたメリーランド大学に進学していても文系に変えたかもしれませんし、ブラウン大学で文系を専攻するという選択が失敗というわけでもありません。アイビーリーグ出身という事実が社会人となった彼女に自信を与えるかもしれませんし、エリート大学で培ったネットワークが役に立つこともあるでしょう。

ここで言えるのは名前やランキングばかりにとらわれず、よくリサーチし自分に本当に合った大学をみつけることが失敗しない大学選びの基本だということです。

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