2021-07-26 17:58
大学に出願する時、在籍している高校から成績証明書や推薦状の他に、School Profile(スクール・プロファイル)と呼ばれる数ページにまとめた学校の概要を大学に送ってもらう必要があります。このスクール・プロファイルを見たことのない志願者も多いようですが、どんな学校の環境下で志願者が勉強してきたかを知るために大学にとっては極めて重要な書類です。 高校によって内容に差がありますが、アメリカの高校の場合 、スクール・プロファイルを見ると通常その高校の生徒の人種構成や低所得者の割合、卒業率、大学進学率などがわかるようになっています。また、生徒のSATやACTの平均スコアも大抵は含まれているので、全体の学力レベルがわかります。生徒が勉強や大学出願で十分な指導を受けているかを見るために、生徒対先生の比率や、生徒対スクール・カウンセラーの比率に目を向ける大学もあります。例えばマンモス公立高校で十分な指導を受けられない生徒には、そのバックグラウンド情報を考慮した上で出願書類が審査されることになります。 大学が最も注目する点は成績ですが、4や100などどのようなスケールを使って高校が成績の評価をしているのか、そしてHonorsやAPクラスを受けた生徒には成績に余分に点が加算されるのかもスクール・プロファイルに記載されているはずです。加点される場合でも、APクラスには1でHonorsクラスには0.5、あるいは両クラス一律に1など、高校によって数値が違います。これを知ることにより大学は、あらゆる高校の生徒の成績を大学独自の方法で評価します。また、一学年全体のGPA平均値や成績分布表をスクール・プロファイルで公表している高校もあります。成績分布表を見ると、例えばGPAが4.0以上の生徒が全体の何%いるかわかります。GPAが3.5であっても、高校によって成績のつけ方が異なるので、その生徒の成績はトップ20%かもしれませんし平均以下かもしれません。それがスクール・プロファイルで一目瞭然となります。他にも、生徒の履修したAPクラスの数を単に見るのではなく、高校でいくつのAPクラスがオファーされているのか、履修できるAPクラスの数に制限があるのかなども考慮に入れて、大学は志願者の履修科目を評価します。 このように志願者それぞれの学校の環境を考慮して審査されますので、自分の成績表と同時にスクール・プロファイルを実際に見て、学力的に自分はどんな生徒と映るのか客観的にチェックするとよいでしょう。このスクール・プロファイルは学校のウェブサイトで公表されている場合もありますが、見当たらなければスクール・カウンセラーに聞いてみて下さい。 ★サトリ・カレッジ・プランニングの詳細はsatoricollegeplanning.com をご覧下さい。そのサイトから「週刊NY生活」に連載している「教育なんでも相談室」の記事 (最新記事 は「大学を訪問する必要がある?」)も読めますし、無料相談(ファイナンシャルエイド以外)のお申し込みもできます。 にほんブログ村 ↑↑↑↑↑↑をクリックして下さい。 下の「拍手」のクリックもよろしく!リツイート、フェースブックの「いいね!」や「シェア」もお願いします。
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2018-11-09 17:22
今年に入り、SAT/ACTのエッセイ・スコアを要求しないトップ大学が増えているということを前回のブログ でお知らせしました。その代わりに今年からプリンストン大学は、高校の英語か歴史のクラスで先生が採点したペーパーの提出を要求するようになりました。3年以内に英語で書かれた約1,000字ほどのエッセイかペーパーで、先生のコメントが付き成績のついたものが望まれます。ルーブリックなど評価基準を先生から渡されていれば、それも添付するとよいでしょう。 ブラウン大学も成績のついたペーパーの提出を今年から受け付けるようになりました。要求ではなく勧めるとなっていますが、提出した方がよいでしょう。英語、文学、歴史、経済などの人文社会科系のクラスで今年か昨年度書かれたペーパーと指定しています。 今後ペーパーの提出を要求する大学が増える可能性がありますので、ペーパーを書く時には今以上に注意を払い、よい成績やコメントをもらったペーパーを残しておきましょう。 その他、リサーチペーパーや絵のポートフォリオ、楽器演奏のビデオなどを受け付ける大学はたくさんあります。これは追加資料なので、コモンアプリケーションなどの出願用紙に明記されてない場合も多々あります。提出を考えている人は大学のウエブサイトをよく読んだりアドミッション・オフィスに聞いたりして、どのように提出するのか確認し早めに準備しましょう。 サトリ・カレッジ・プランニングの詳細はsatoricollegeplanning.com をご覧下さい。そのサイト から質問にもお答えします。にほんブログ村 「拍手」のクリックをよろしく! フェースブックの「いいね!」や「シェア」もお願いします。
2017-11-12 22:39
学校の成績優秀、SATも高得点、クラブでも部長になった、これでアイビーリーグにも合格できると思ってませんか。このような高校生は、難関大学の定員の何倍も存在します。 大学に望まれるような志願者になるためには、勉強やクラブ活動など学校内のことだけでなく、外にも目を向けましょう。ボランティア活動も期間や時間数だけでなく、どれだけコミュニティーに良い影響を与えているかという「質」がとても大事です。既存の活動に参加するだけでなく、他者を助けるために自分は何ができるかと考え、自ら新しい活動を考え立ち上げ、行動するととても評価されます。色々なボランティアをあちこちでする人がいますが、本当に情熱を傾けられることに集中した方がいいでしょう。 他の活動も自分の得意な教科、興味のあることや才能を生かせるよう、例えばサッカー、フランス語など自分の好きなこと、得意なこと二、三テーマを決めて、それに沿った活動や勉強を深めるといいと思います。そういう活動は、高校生は学校の勉強が本業だからと小さく活動するのではなく、もっと自由に好奇心や情熱を指針に進んでいって下さい。 サトリ・カレッジ・プランニングの詳細はsatoricollegeplanning.com をご覧下さい。そのサイト から質問にもお答えします。にほんブログ村 「拍手」のクリックをよろしく! フェースブックの「いいね!」や「シェア」もお願いします。
2017-06-17 20:11
アメリカの大学出願にあたって、SNSの存在は見逃せなくなってきています。大学が志願者のSNSを見ることもあります。できるだけポジティブに活用したいものです。 まず、ほとんどの高校生が実名でFacebookのアカウントを持っていると思います。友達しか見ることができないからと油断せず、悪い印象を与える写真などのポストはすべて消しましょう。逆にボランティアをしている時などポジティブな印象を与える写真は、積極的にポストしましょう。 大学や学部なども、より多くの人にアピールしたりコミュニケーションのツールとしてFacebookの他にTwitter、Instagramなどを使っています。LinkedInでも大学の詳細がわかります。他の使い方として自分の興味のある分野を研究している教授をフォローしたり、コンタクトする人もいます。 他にもハーバード大学やブラウン大学などでは、昨年から十代の間で最も人気のSNSであるSnapchatも導入しました。大学を身近に感じてもらえる有効なマーケティング及びコミュニケーションツールになっています。 楽器などの才能のある人はYouTubeに演奏をアップしたり、写真や絵の才能のある人はTumblrやPinterestに作品をポストするのも良いでしょう。映画などの感想を自分のブログに書いたりもできます。LinkedInに高校生でも自分のアカウントを持ち、そのリンクをコモンアプリケーションのAdditional Informationに載せる人もいます。 SNSの使用方法は無限です。自分に合った方法でSNSを利用して下さい。 サトリ・カレッジ・プランニングの詳細はsatoricollegeplanning.com をご覧下さい。そのサイト から質問にもお答えします。にほんブログ村 「拍手」のクリックをよろしく! フェースブックの「いいね!」や「シェア」もお願いします。
2017-01-16 01:36
毎年アーリーで出願した生徒の合否結果を見ると合格しやすいと実感します。ただ数校の超難関大学に関して言えば、アーリーでもかなり狭き門なのとあこがれだけで受ける人もいるので、そういう実感は持てません。 難易度が非常に高い大学には世界各国から優秀な生徒が出願しますし、親の職業や地位を考慮にいれて選ばれることもあります。その大学に席を置くスタッフやレガシー(親がその大学の卒業生)、スポーツなどある分野に秀でた人なども入れると、単に優秀な生徒が受け入られる枠は思った以上に狭くなります。そのため成績やテストスコアを統計的に見て合格枠の上部に入っているくらいでないと、アーリーで出願するメリットを有効に使えるとは言えないでしょう。あこがれの大学にどうしてもアーリーで出願したいと思う人もいますが、よく考えてアーリーディジョン(Early Decision)やシングルチョイスアーリーアクション(Single Choice Early Action)の大学を決めて下さい。もう少しランクの下の大学だったら、アーリーでの出願が生かせるかもしれません。 どの大学をアーリーで受けるか、その他相談のある方はホームページ からお問い合わせ下さい。にほんブログ村 「拍手」のクリックをよろしく! フェースブックの「いいね!」や「シェア」もお願いします。
2015-06-29 22:36
アメリカ国外からアメリカの大学、特にアイビースクールに留学したい人の問い合わせが、最近増えています。その中で最も多いのがSATのスコアに関する質問です。テストスコアで合否が決まるのではないかと思い、なかなか上がらず不安になっている相談者を多く見かけます。 アメリカの大学は、学校の成績やテストスコアだけでなく、クラブ活動やボランティアなど学校以外で何をしているかまで考慮して、総合的に志願者を評価します。これは他の国では一般的でない審査方法のためか、SATのスコアを上げることばかりに重きを置き、勉強以外の活動に力を入れてないケースも見られます。テストスコアが満点近くでなくても難関と言われる大学に入れることを説明してもなかなかわかってもらえないこともあります。SATなどのテストは世界中で実施され、数字で比較することが容易ですので、これに頼りたくなる気持ちもわからなくはありません。でもアメリカの大学は成績優秀者を上から順に合格させる方法をとっていません。 今回はアイビースクールを例に、どういう人を合格させたいのかを歴史的背景を交えて説明したいと思います。アイビースクールは元々、有名プライベートスクールに通う裕福な白人男子生徒が入れる特権階級のための大学でした。スポーツをたしなみ文化的に洗練された雰囲気の学生がほとんどを占め、大多数の学生は学問の追究より、社交ひいては将来のためのネットワーキングに比重を置いていました。一部のエリートが国を動かしていた時代だったので、大学もそれでよかったのです。 それが冷戦時代、旧ソ連が世界初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げたのを機に一変したと言われています。科学技術に遅れをとったことに衝撃と危機感を抱いたアメリカが、東側諸国に負けないため軍事、科学、教育政策の大きな再編を余儀なくされ、大学生の学力が格段に重要視されるようになったのです。 そうは言ってもアイビーリーグは、学力優秀で将来一流の大学教授や研究者になると思われる志願者ばかりを入れるわけではありません。国内外のあらゆる分野でトップに立つであろう人材を求めているので、成績やテストスコアがずば抜けて良いだけで合格させる割合は思った以上に低いのです。一言で言えば、社会に出てからそれぞれの分野で本領を発揮できるポテンシャルを持った高校生を合格させたいのです。 どんな活動や趣味を持つべきかに正解というのはありませんので、高校生の皆さんは自分ならではの興味や才能を伸ばすことに力を注いでほしいと思います。そして自分の興味のわくボランティアなどを通じて社会に貢献できるよう努めてください。アメリカの大学だけでなく会社でもこういった人を高く評価します。にほんブログ村 「拍手」のクリックをよろしく! フェースブックの「いいね!」や「シェア」もお願いします。